テキストサイズ

sugar-holic2

第8章  疑惑が確信に変わる時

「生憎、フィルターのドリップコーヒーしかないんだけど」

「うん、それで充分」

台所に戻るとお湯を沸かし、マグカップでドリップコーヒーを淹れる。

最近増えた食器。

今までマグカップが一つしかなかったから…さすがに増やしたんだ。

コーヒーを一口飲むと、亮くんは笑みを浮かべた。

「梢ちゃん天才。ベリーよりよっぽど美味しい」

「そんな訳無いでしょ!?」

笑いながら否定していると、亮くんがぽつりと呟いた。

「彼氏さん、今日仕事なんだよね?」

え?

会社の駐車場に行ったとき、開発部の人と話してたのを聞いてたの?

「仕事してる隙に、梢ちゃんと休日過ごしてるの…何か悪い気分」

「亮くんが気にすることないよ。私がお願いしたんだから」

ふふっと笑うと、亮くんは苦笑いを浮かべ

「女って本当に怖い」

「何でよ!?」

「オトコゴコロ、いい加減気付こうね」

そしてコーヒーを口にしてる。

オトコゴコロ…ねぇ。

だって…会えない訳じゃないし。

お互いにやりたいことしてるんだから、不満もないと思うんだけど…。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ