
ビタミン剤
第45章 残暑
確かにコンサートでも、収録の時でも
つい可愛くって翔に手が伸びちゃうってところは
メンバーにも注意された事はあったから自覚して
反省もしてるんだけど。
目隠しされて不安そうな翔や、肩に小蝿がとまった翔には考えるより先に手が出ちゃうんだ。
「父さんも…雅紀に会いたいって
なんかね、俺がこの事務所に勝手に入った時点で
櫻井家の長男としてより、
櫻井翔としての道を突き進ませるって決めてたって言ってくれて…あふ…まさぁ…ぁんっ」
厳格な家庭
由緒正しい家柄
跡取りとしての責任
そんなことはわかってたから
翔に今以上の関係を求めたりは出来なかった。
「翔っ…翔っありがとうっ
俺いつでもスケジュール空けるよ
なんだったら、今夜、いますぐだって!」
「あっィイ…ぁう…やだよっ雅紀のばかっ!
ダメ…今夜は、ずっと雅紀にくっついて
いっぱいいちゃいちゃするって決めてるの。
雅紀…俺を、離さないで…」
「離すもんかっ!
ずっと翔のこと離さない、翔、愛してる」
「雅紀…俺も…すき、大好き…愛してる」
