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ビタミン剤

第13章 ぼくのペット

Jside


ずっとなり続けてたアラーム音
どうにか目覚めると時間はとっくに10時をまわってて寝ぼけながらどんなに手を伸ばしてみても隣で眠ってる翔さんの気配はどこにもなかった。


「…そっか…午前中からだっけ…」


なかなか働かない頭の代わりに携帯に手を伸ばしてみると翔さんから届いてるメッセージと写メ。


アラームをセットしてるからしっかり起きてねって
冷蔵庫の中のヨーグルトの賞味期限が近いからちゃんと朝に食べるようにって


まるでおふくろみたいなんだけど。



「翔さん…ありがと、ちゃんと起きれたよ。」


ベッドの上で翔さんへおおきめな独り言。
スーツ姿で格好良く写ってる写メの翔さんにくちびるをツンっとがらせておはようのキスを送っておく。


追伸ってメッセージもあって、読んでみると


今日の俺のコーデはどう?
これ潤のプレゼント、最高に良い男でしょ?
潤愛してるよ♡

写メに写ってる翔さんのネクタイは俺がプレゼントしたイタリア製のやつ。このスーツに似合うと思うからって言ったあの俺のコーディネートで出掛けてくれたんだ。



いってらっしゃいって言ってあげれなかったことはすこしさみしいけど、離れてても気持ちが繋がってるって感じられて、めちゃくちゃうれしくなった。
いつもより気持ちよくベッドから起きだせた。


今日はカイザーにも優しくしてやれそう。


だって翔さんの1番は俺なんだもん。


そう思ってた穏やかな気持ちがリビングのゲージの中のカイザーを見た途端、呆気なく崩れ去ってしまった。

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