
ビタミン剤
第13章 ぼくのペット
あーあ、涙の痕までつけちゃて。
仔犬を飼いたいなんて潤がそんなこと願うからだよ。
買うと飼うの違いをちゃんとわかっておかないと。
やみくもに可愛がって世話するだけじゃダメ
可愛がる先には従属
世話する先には責任
ただ楽しみだけを掻い摘んで暮らすペットとの
生活なんて有り得ない。
自己犠牲の喜びを噛み締めながら
いろいろなことに優先順位をつけてかないと。
潤はこっち側じゃない。
本質を見極めて自分自身をさっさと受けいれちゃいな。
グズグズに蕩けだしながら
全身余すところなく舐め上げてやって
どろどろなるくらい抱きたおして
最高に感じさせてやるからはやく気づきな。
かわいい潤、明日の朝までぐっすりと眠りなよ
俺のいない朝
独りきりで目覚めてからリビングで
あのワンコロと本気で対峙する潤を想像すると
笑いが込み上げてくる。
潤、わかってねえだろうけど
おまえは眠っててもこんなにも俺を虜にしてるんだぜ
