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ビタミン剤

第19章 ニンカツ

Aside


「マジ美味い!めっちゃ美味いよ。」


「まーくんが帰ってくるからって
久々に一緒に飯食べれるって話したら
大野さんが釣ってくれて、
捌いて調理もして持ってきてくれたんです。」



鯛の活け造りと、酒蒸し、鯛飯
ナマモノの苦手なニノちゃんには酒蒸しの身を
ほぐして口元に運んであげる。




愛らしい口が咀嚼をはじめると
ニノちゃんの顎のホクロがセクシャルな動きを
し始める。
その左手には焼酎のロック。

口に含んで飲み干すのかと思ってたら
俺の唇を塞いできてくれて、
くだけた氷と一緒に甘美な甘さが喉を通り過ぎる。


「めっちゃウマ。
ニノちゃーん、おかわりぃ。」

「やーだ。やなこった。」


俺の膝の上で優しく微笑むニノちゃん

パンイチのマヌケな格好で頬っぺた抓られてるし。
こんなだらけてみっともない姿を見せれるのは

この世でたった1人、ニノちゃんだけ。



目元から頬、うなじから顎のラインに
かけて朱色が深く、ニノちゃんの白い素肌を
色付かせてる。

壮絶な色気を漂わせながら、あどけない笑みを
讃えるこの顔を独り占めしてる。

他の誰にも絶対に見せらんないや。

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