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ビタミン剤

第30章 ムテキのヒーロー


柔らかな髪を撫でて
うっとりと目蓋を閉じる翔ちゃんのくちびるに
俺の熱を伝えてあげる
触れ合うくちびる同士が吸い合ってすこし
開いてたところに舌先を差し込むと、
翔ちゃんの舌先もそっと伸びてくるから
絡ませながら吸い上げるように
呼吸を忘れさせるくらい離れずにいた。


「ん、ぁ…はぁ…んんっ…っう…はぁ」

おいら舌先がもっと口腔内で暴れたいって
怯えて竦めるような翔ちゃんの舌先を
みつけて甘噛みする。


「…智くん…もっと
もっとわがまま言ってもいい?」

「ん、いいよ翔ちゃん、言いなよ。」

「あのね、
俺を、智くんのホントの恋人して。
ずっと怖がってて、先に進めなくて
智くんのこと待たせてて…ごめんね。
俺、智くんとひとつになりたい。
智くんと愛し合いたい
智くんと…繋がりたい…」



そんな可愛い瞳で見つめてくるとか
ズキューンってきちゃうじゃねぇか!

翔ちゃんの破壊力のあるセリフは
おいらの手からヒーローマスクをあっさりと
床に投げ捨てさせた



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