
ビタミン剤
第5章 夏まつり
「てんめぇ、俺のかわいい嫁さんに
なにしとんじゃァ
殺すぞ、ゴォラァァァ!!」
「ショウ
もう、いいから…もう、やめて。」
腕が折れるくらいおもいっきり
握ってやってから解放してやる。
俺たちは人の流れに逆行して
元来た露店のほうへと歩いていった。
今度こそりなちゃんのかわいい
お尻を守るべくそこに手を当てると
なんだかやけに柔らかい感触。
「ん?なんだ、あれ?
なんでこんなふにふに?」
「…ぁ、やめ、ショウ…
さわっちゃ…だめ。」
まさか?まさか?
りなちゃんの手を握って急ぎ足で
さっき座ってた公園のベンチまで
戻ってきた。
「あ、あのさ、もしかしてさ
りなちゃん?もしかしたら
なんにも履いてないの?」
「馬鹿野朗っ
ちゃんと履いてるわッ!」
「だけど、だけどさ、なんか感触が
やたら柔らかいし
その、ふにふにぷにぷにとか…。」
「だからぁ、そこは…ぁ
布がないところ…だから
だから、そういう…デザインで。」
しどろもどろの口調で真っ赤に
なってぷいっと横を向いてしまう
りなちゃん。
意味がわかんなくて
目一杯クエスチョンマークを
飛ばしてると、
りなちゃんから小さな声で
Tバックのヤツ履いてるの
って言われるけど
実は未だに、
実際に履いてるところ
なんて見たことがなかったから
想像すらできなくて
しばらく惚けた顔してた。
