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ビタミン剤

第5章 夏まつり


後日、某局内にて



「櫻井さん、櫻井さん。」

「おう、どうしたの?」

「耳寄りな情報ですよ
今度心霊のロケ行きませんか?」

「はあ?
いや、俺たち嵐で
昔、すんげえ心霊スポット巡りとか
行きたおしたから今更だわ。」

「そうですかぁ。
でも、あの頃のVTRとかを使って
嵐の懐かしい場面とかを盛り込んで
夏の特番、嵐の心霊特集!!
なんてどうですか?
前に教えたD市の桜の名所の
神社あるでしょ。
今年の夏祭の頃にどうも
墓場のほうから女の啜り泣く声
が聞こえたらしくて
捨てられてあの神社の墓場で自殺
した女の霊じゃないかって
すんごい鳴き声だったらしいって
ヤバいらしいっすよ。」

「…いやごめんね。
その企画は無理だわ。
ちょっと事務所的にもオッケー
出ないと思うし。」

「そうですか。残念だなぁ、
櫻井さんに深夜の現場をレポート
してもらいたかったんですけど。」



「ほんとごめんね。」




笑いを押し殺して楽屋へ向かった。


たぶんその啜り泣く声ってのは
りなちゃんの恰好したニノの声。


こんな話しニノが知ったら
今度こそマジでスタンガンの
えじきにされちゃう。


俺の 両方の肩に残る噛み痕は
あの日にニノが付けてくれた
しるし。

抱き抱えて揺さぶり続けたら
ハンカチを口から
落としちゃったニノ。

噛んでもいいからねって
囁いてあげたら、
必死に喘ぎ声を我慢してたから
夢中で噛み付いてきてくれて
まだおもいっきり痕残って
くれてるし。

さあ、今夜も帰ったらニノに
消毒してもらおうっと。


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