テキストサイズ

ビタミン剤

第40章 嵐影湖光


Mside

浴びせられる言葉の暴力とは裏腹に翔さんの
指先が頬を撫でて髪をすきながら
抱き寄せて優しくくちびるを重ねてくる。

思考能力を剥がされ与えられる刺激にだけ敏感に
反応するように変化していく。


今夜の智とのセックスではこんなにも
優しいくちづけは今夜はなかった。



比較するなど馬鹿げてる

大野智は唯一無二の恋しい男
けれど
馬乗りの態勢にされ下から激しく突き上げられ、 揺り動かしてくれているのは

想い人ではない別の男

舌が情熱的にねっとりと絡み取られる。

奪うかのように吸い上げられくちびるを閉じようとすると胸の突起を優しいしぐさで摘ままれ、
捏ね回されて、すりつぶすように愛撫をされる。

あまりの刺激にくちびるが震えだし閉じれなくなって再び角度を変えて重なり合わされる
智への想い単純な肉慾の快楽が鬩ぎ合いながら
脳内でぐちゃぐちゃに綯い交ぜになって
目頭から熱い雫が溢れだす。



「余計な事考えて泣くな。
せっかくの気分が台無しだろ
どうせ気持ち良いなら俺の名前を呼んどけよ。」

「ぁ…ぅう…いいっ、翔っ
翔くんッ…ぁしょ…ひゃ…んぁ」


くぐもったちいさな声で翔さんの名前を呼び続ける。

優しく細められた目が満足気な笑みを
たたえながらきつく抱き寄せられる。


ストーリーメニュー

TOPTOPへ