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えっちの経験値

第10章 笹野大輔の事情①

夢のような一年と五ヶ月の日々を
過ごしてきた俺に
突然の不幸が訪れた。

『別れてほしいの……』
『どうしてだよ』
『……ごめんなさい』
『それじゃ分かんねぇだろ』
『……とにかく……ごめんなさい』

美穂のしおらしく悲しげな表情。

余程のことがあったのだろう。

苦学生の俺との付き合いを
親に猛反対でもされたか。

これ以上を問い質すことに気が引けた。

たった一週間前の出来事。

そしてこの一週間で美穂に男が出来た。

あの悲しげな表情はいったい何だったんだ。

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