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えっちの経験値

第14章 一之瀬蓮の事情⑤

俺が黒百合女子から赴任してきたことは
職員ならず生徒たちにも知れ渡っている。

始業式の挨拶で校長は俺を
『黒百合女子高等学校からお越し頂いた』と
紹介した。

もちろん俺はそんな大層な人間ではない。

この男子高の校長は黒百合女子学園長の
大学時代の後輩にらしく、そのよしみで
口を利いてくれたということだ。

「一之瀬先生って『せ』が連チャンして
呼びづらッ。蓮ちゃん先生ってどお?」

正面から歩いてきた生徒に
突然声を掛けられた。

「君は?僕のクラスの生徒か?」
「違うけどね。蓮ちゃん先生にお願いが
あるんだけど」

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