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えっちの経験値

第17章 一之瀬蓮の事情⑥

「大ちゃん。行ってやれよ」

翔太は悔しそうな
それでいて悲しそうな表情を浮かべ
それでも必死に取り繕うと
笑顔で笹野を諭す。

「でも……」

笹野は動揺しているようで
足元がガクガクと震えている。

「姉ちゃんのことなら気にするな。
千佳ちゃん。大ちゃんに妹さんの病院
教えてやってくれねーか?」
「僕からもお願いします」

俺も合いの手を入れた。

この場で一番冷静なのは
たった16歳の翔太だった。

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