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えっちの経験値

第19章 一之瀬蓮の事情⑦

「どうされました?」

磨りガラスの扉から部屋の中を覗く俺は
背後から店員に声を掛けられた。

「いや……別に……」
「部屋番号お忘れになりました?」
「……ですね」

扉を開けるタイミングを失った。

店員が居る手前、俺はこの場を去った。

カラオケボックスを後にすると翔太に
咲良を迎えに来るよう連絡をした。

結局のところ俺は
突然現れた店員を言い訳に
咲良に声を掛けることすら出来なかった
臆病者なんだ。

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