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えっちの経験値

第40章 佐倉千佳の事情⑤

翔太は床に転がった汚れたTシャツや靴下を
拾い上げゴミ袋に放り込んでいる。

私はロッカーに残された私物を
段ボールに入れていた。

翔太は終始仏頂面で作業を行う。

それもそのはず
生徒たちに慕われる蓮を
私が陥れたのだから。

『ごめん……さくら……』

私に宛てられた言葉ではない。

蓮は咲良を想い続けていた。

分かっていたはずなのに……

咲良の名を出してしまった蓮を許せなかった。

沸々とさせていた想いが煮えたぎり
沸点を越えてしまった。

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