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えっちの経験値

第44章 一之瀬蓮の事情⑬

待ち合わせの場所で
咲良は雨に打たれ身を縮めていた。

申し訳なく思い
一瞬、足をすくめてしまった。

……これがいけなかった。

咲良に傘を差し出した男。

咲良のバイト先である居酒屋に
頻繁に出没していると思われる
朝顔先生と呼ばれている男。

朝顔先生は壊れ物を扱うかのように
咲良の身体に手を回した。

咲良は朝顔先生に身を委ねるようにして
俺が佇む反対方向へと歩いていった。

呆然と立ち尽くす俺に向かい
朝顔先生だけが振り向いた。

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