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えっちの経験値

第63章 結城咲良が一之瀬咲良になってからの事情~前編~

「着いたよ。俺のとっておきの場所」

私の視界に広がっているのは
アウディのヘッドライトに照らされた海。

「降りようか。砂浜でお弁当食べよう」
「でもライト消したら真っ暗ですよ」

人の気配も無ければ民家も無い。

「ライトは点灯したままで」
「車盗まれません?」

斗真はクスクスと笑った。

この笑顔に何人の女性が騙され……

ダメダメ。

先入観は持たないと決めたはず。

「盗んでも即刻バレるよ。逃げ場なんて
無いんだから」
「あ、そっか」

島だもんね。

私も逃げ場が……無い。

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