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Kissからはじめよう SO & AN

第22章 君のために僕がいる5 雅紀

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和くんの寝顔を見つめてるうちに 何だかおかしな気分になってきた

その頭に手を置くと 茶色の髪が柔らかく手に馴染んで なんだか癒されるような、それでいて胸が苦しくなるような複雑な想いが湧いてくる



でも。
この気持ちは恋じゃない。
断じて恋なんかじゃない。


今までも何度も自分にそう言い聞かせてきた


「好きだ」なんて認めたら、こんなこともう出来なくなる

・・・そしてまた「気持ち悪い」なんて言われるんだろうなぁ・・・



そう思ったら もうこの手を和くんの頭に置いておけなくなって、行き場を失った右手は力なくぱたりと自分の膝の上に落ちた

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