Kissからはじめよう SO & AN
第36章 楽園9 和也
9-3
子供の頃からのまーくんの超俊足は今も健在だった
全力で走ってるつもりだったのに、
いつの間にかまーくんに追いつかれて
腕を掴まれる
「和くん・・・待って・・・ね、違う・・・今の、違うから」
「離せよ」
「やだ。話を聞いてくれるまでは絶対離さない」
「俺 今出かけるとこなんだよ、遅れちゃうから・・・離せって」
「・・・それでも嫌だ。急いでるなら歩きながら話すから」
「勝手にしろ」
最近では 重い機材を担いだりする筋肉も加わって、すっかり逞しくなってるまーくんに
俺の腕はがっちり掴まれたまま。
振り払おうとしてもびくともしない