Kissからはじめよう SO & AN
第36章 楽園9 和也
せめてもの抵抗でどんどん歩くけど、
全速力の後でも息を乱さないまーくんは
熱心に今の状況を説明し始める
「和くん、まずはっきり言っとくけど今のはキスしたわけじゃないし、しようとしてたところでもないからね」
「・・・・・・」
「こんなところで話すことじゃないけど、大野さんがあることで悩んでて、それを聞いてただけ。浮気でもないし、ましてや本気でもない。俺の気持ちは和くんにしかないから」
「・・・・・・」
「俺 明日はオフだから、今夜うちに来てよ、遅くなっても大丈夫だし、和くんがいいなら泊まって行ってくれればいい。待ってるから。ね?」
「・・・・・・」
返事をしない俺なのに、
まーくんは根気よく話しかけ続け
そのうちに駅の前まで来た
まーくんが俺の腕を離す
「俺、行かない・・・」
意地っ張り再発
俺は振り返ることも無く、駅の中へと進んだ