Kissからはじめよう SO & AN
第1章 コイゴコロ1 翔
あの後 人ごみの中に見え隠れする彼女らしき背中を追いかけて見たものの、途中で見失い、俺の手の中には3人分のクレープだけが残った
暫くウロウロしてみたが、彼女を見つけることは出来ず、仕方なくそれを持って帰り 諦め悪く冷蔵庫に入れて置いたものの 今日でもう4日目になる
生クリームが使ってあるクレープを 今更食べられるはずもなく、捨てるしかないのだが
本来 食べ物を残したり捨てたりすることに抵抗がある俺にとって それはなんだか物悲しく不吉な未来を暗示しているようで 気分も落ち込んだ