きみがすき
第12章 *ジュウイチ*
当の本人は、なんだかピンときてないみたいで、…俺の勘違い?
勘は良い方だと思ってるけど…恋愛系は苦手分野、でもある。
ちょっと不安になって、隣の潤くんを見ると、なんだか難しそうな顔をして大野さんを見ている。
俺の視線に気がついて目が合うと、ん?とにこりと笑ってくれたけど、どうしたんだろう…?
首を傾げた俺を見て、今度はふふっと笑い、
『まかせて』
と口をパクパク動かした。
何を?
と問う前に潤くんの視線は大野さんへ向けられた。
大野さんは、またくるくるとカップの縁に指を滑らしているから俺らのやり取りには気がついてないみたいだ。
松「大野さんってさ、
雅紀、相葉のことがすきなんでしょ。」
カチャン とカップが鳴る。
突然の潤くんの言葉に、きょとんとして、少し間をおいて
大「………なにそれ。」
と困ったようにふにゃんと笑って答えた。
でも潤くんは、そんな大野さんを無視して
松「あいつ、付き合ってるやつ要るんで、諦めてください。それにあんたと雅紀じゃつりあわない。」
そう冷たく言い放った。
大「……。」
「ちょっと潤くん!」
何を言い出すかと思ったらと、慌てて止めたけど
大野さんは、もう笑ってなかった。