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きみがすき

第12章 *ジュウイチ*

*大野*




『相葉のことがすきなんでしょ。』

そりゃさ、は?って思ったよ最初は。
松潤なに言ってんの?って。


でもさ、相葉ちゃんに付き合ってる人が要るって、改めて聞いたら

なんかすげー心臓が痛くなったの。ぎゅうって。


心臓がこんなに痛くなるなんて初めてだけど、病気かな?とかそんなことは思ってないよ。

きっとこれは、相葉ちゃんのすきな人への嫉妬。
俺だってバカじゃない、この胸の痛みが何なのかくらいわかる。


男をすきになったの初めてだけど、特に驚かなかった。なんでだろ?相手が相葉ちゃんだからかな。

まぁ気がついたとたん失恋しちゃったけど。はは。

マフラー。また会える口実ができて嬉しかったのは、相葉ちゃんへの好意だったのか。

じゃぁ体が勝手に動いたと思ったのも自分の意思だったんかな。悪魔のせいにしちゃってごめんね。悪魔さん。



「…俺、相葉ちゃんのことすきみたい。


でも…、大丈夫だよ。
相葉ちゃんの幸せを邪魔しようとは思ってないから。」


まだなにも始まってないから。
この気持ちに蓋閉めて鍵をかければ、直ぐに忘れられる。


「…ちゃんと諦めるから…」


そう言って松潤とニノへ顔を向けた。


ポタッとカップに添えてた手に、なま暖かい雫が落ちた。

それが自分の涙だって気がつくのに少し時間がかかった。



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