きみがすき
第15章 *ジュウヨン*
久しぶりに合った瞳に更に胸が高鳴る。
悔しいけど、相葉ちゃんの胸にすっぽり収まっている体。
この現状も俺を後押しする。
男の人が男の人を抱き締めるって…
少しは希望があるのかな。
きっともう、相葉ちゃんに聴こえているであろう心臓の音。
少しでも落ち着けようと、ゆっくりと深呼吸をし、カラカラになった喉になんとか唾を流し込み、決意を決める。
「相葉ちゃん。」
相「ん?」
「すき。」
相「…え?」
「すき。なんだ。」
相「っ、……」
相葉ちゃんが今、どんな表情をしているかなんて、涙でぼやけた視界ではわからない。
緊張で手が震えてるのがわかる。
気持ちを伝えるってこんなに勇気がいるんだ…
「驚かせてごめん…」
なんの反応も無いことが恐いのと、ストッパーを外した気持ちは溢れるばかりで
「…でも、俺、相葉ちゃんのことが、すきなんだ。」
お願い。届いて…
相「あ、えと、すきって、だって、え?ちょっとまって。
だ、だって、だって大ちゃんは……」
? …俺は…?
相「…あ、いや…
あの、すきって、さ、その友達として、だよね?」
……あぁ…
そうだよね…
「…違うよ。恋愛。としてすきってことだよ。」
相葉ちゃんの反応から、結末が見えてしまった。
やっぱりなって思う反面。
今まで手を繋いだり、今みたいに抱き締められてるから、もしかしたら相葉ちゃんも俺のことなんて…
ゆっくりと離される体。
相「ごめん。
俺、大ちゃんのことそういう風にはみれない。」
やっぱり、冬の海は寒いね…