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きみがすき

第17章 *ジュウロク*



2回目のキスは、

俺のぶつけるようなキスとは正反対の

そっと触れるだけの優しいものだった。



まるで、夢から覚めたように視界がクリアになる。
瞬きをすると、ぽろっと零れた雫を最後に涙は止まった。


相「あ、泣き止んだ。」
すぐ目の前には、もう眉間に皺を寄せてない、いつもの顔。

「…だって、びっくりした…」


相「だね。
俺もさっき驚いたもん。」
いたずらっ子のように、くふふ。と笑う。


何故だか、途端に落ち着いた感情。

その感覚はまさに、不思議。

もうなんだか恐いものが無いような気さえしてきて、
「なんで、キスしたの?」
至極全うな質問をした。

相「ん?子供がさ、駄々こねた時って他のことで気をまぎらわすといいって言うじゃん?」


「なにそれ。俺は子供か。」
自分でも思ったけど…


相「ふふ。違うね。恋する素敵な大人だった。」
そんなことを言う相葉ちゃんはバカにしたり、ふざけてる様子はなくて、

「…なにそれ」
顔が赤くなるのがわかった。


相「大ちゃん。」
俺を呼んで、そして優しく笑うもんだから、この笑顔が見れるならもう何でもいいやって思えて


「なに?」
素直に相葉ちゃんの声を聞くことができた。



相「ごめんね。俺、勝手に誤解して、勝手に怒って、大ちゃんに酷いこと言った。
ごめんなさい。」
ひとつひとつの言葉に、申し訳ない思いが伝わってくる。顔だって、本当はそんな顔させたくない。

「ううん。もう、わかってもらえたならそれで十分。
…それに、俺にも否があったと思うし。俺こそ、ごめんなさい。」
俺も、気持ちを込めて見詰め返す。


…でも、

余りにも近い。

耐えきれないのと、この際もう甘えてやろうと
すぐ近くにある胸に顔を埋めた。


相「あー逃げた(笑)」
くすくすと頭の上で笑う相葉ちゃん。


「だって、死ぬほど恥ずかしーもん。」


相「…うん。俺も。こんなに情熱的に告白されたの初めて。」


「…。」


相「大ちゃん?」


「……すきです。」


相「…うん。ありがとう。

もう少し…もう少しだけ、待ってて。俺、真剣に大ちゃんの事考えるから。

…それじゃダメ?かな。」



「…待ってる。」

俺のこといっぱい考えて。

そう気持ちを込めて、その男らしい体にぎゅうっと力を込めて抱きついた。

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