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きみがすき

第24章 *いち*



相「あは!推しメンに推しメンって言われたぁ」


…何処にツボったのか
あひゃひゃと笑いだした雅紀。

大野さんも不思議だけどさ
…雅紀も不思議だよな。

急に話が飛ぶし。まぁ本人の中では繋がってるんだろうけど…
そんな処も似てたりしてな。

ちょっと心配だ。



なんてお節介な事を考えてたら、いつの間にか静かになっていた休憩室。


ん?と雅紀を見れば
自分の手をグーパーして…


「雅紀?……おい、雅紀。」


相「んー?なに?」
ふっと手から顔をあげて雅紀が俺を見る。

何って…

「どうした?」


相「なにが?」

何がって…

「大丈夫か?なんか辛そうな顔してたから。」


相「え?俺そんな顔してる?」
ペタペタと顔を触ってそう返す雅紀。
…その顔に、さっき表情はもう無い。


気のせい…?

…いや

「大野さんと何かあったか?」


相「え?なんで大ちゃん?なんもないよ。」
と笑う。

じゃぁなんだ?さっきの顔。

そう詰め寄ってやりたいけど…当の雅紀は、なんのこっちゃと笑っている。


「まぁ…何もないなら良いけどさ。困ったことがあったらいつでも言えよ?」


相「エッチのこと?」


「違ぇよバカ!後は自分達でどうにかしろ!」


相「えー?なんで怒られたのー?」
あはは。といつもの様におちゃらける雅紀。

ったく!こいつは…!真面目に心配してんのに!
もう知らねー!



……

けどやっぱり…

「お前は、溜め込むから心配なんだよ。」


相「え?俺?」


「そう。
それに大野さんの事になると、かずが煩くて怖いからな?」

あんな顔されたら…ほっとけねーよ

相「そうなの?
てか大ちゃん?そこは仲良しの俺じゃなくて?」


「残念ながら、かずは大野さん寄りだ。」


相「えー?(笑)
もぉ後でニノちゃんに文句言わなきゃ。」
「でもニノが珍しいね。」とくふふ。と嬉しそうに話す。




相「あれ、わ!もうこんな時間だよ。帰らなきゃ。
ごめんね。俺の話ばっかりしちゃった。」


それは別にいい。


相「潤。」


「ん?」


相「心配してくれてありがとう。」
といつも通りの笑顔でパタン。とパソコンを閉じ、ガタガタと椅子を片付けて部屋を出て行った雅紀。


俺はと言うと、閉じられたパソコンを見つめたまま、雅紀の事を考えていた。

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