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きみがすき

第25章 *に*

*二宮*




大「二宮。今大丈夫?」


「あ、はい。」

智さんに呼ばれて反対側のデスクへ向かう。

大「昨日送ってくれた資料見たよ。全体的には凄くわかりやすくて良いと思う。」


「ありがとうございます。」


大「ただ、2箇所だけ言い回し変えた方が良いかなって所があってさ。」


「何処ですか?」

そう言って2人で智さんのパソコンを覗き込んだ。



新年度を迎え、俺や智さんの環境は少し変化した。

4年目を迎えた俺は、指導兼補助者として付いていてくれた智さんから卒業し、隣同士だった席は今や向かい斜めとなった。

殆どの業務を一人で任してくれるようになったのは、素直に嬉しい。

けど、提出する書類や会議で使う資料など、特に重要な物に限っては係長へ提出前に、1度智さんに確認してもらうようにしている。
そんな業務が増えるだけの俺のお願いを「勉強になる」と嫌な顔せずに引き受けてくれた智さん。

で、的確に嫌味なく指導してくれるんだもん。
その様はやっぱり格好いいし、尊敬する。


あ、プライベートでも仲良くやってるよ?
でもさ、仕事での絡みが少なくなった今…ちょっと…いや結構寂しかったりもする。


大「ここと、ここ。こう書けばもっと良くなると思うよ。」
と微笑む。

「はい。修正してみます。
忙しいのに、ありがとうございました。」


智さんは、相葉さんと付き合って
更に格好良く…そして綺麗になっちゃった。


大「いいって。気にしないで。
同じグループなんだし。俺にできることあったら言ってね。
…なーんて超先輩ぶっちゃった(笑)」


相葉さん。あなた凄いね。


「じゃぁ、今日飲み行きましょ?」


大「あ、でたでた。すきだよねぇ。ほんと。」


*「あ!飲みですか?俺も智さんと行きたい!」

急に割り込んできた五月蝿い声。

「小林くんは、誘ってないけど?」


小「だから行きたいって言ってるんですよ。ね?智さん?」


「…。」

そう、忘れてたけどもう1つ変わったこと。

新年度から、俺と智さんと同じグループに配属された小林。下の名前?しらん。

こいつがまぁ…

「つかなんで智さん呼びなの?」


小「え?だって二宮さんが呼んでるから、じゃぁ俺もって。駄目ですか?」

そう言って首を傾げて智さんを見た。

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