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きみがすき

第25章 *に*

*二宮*




俺がコンビニから帰ってきた時には、智さんはベンチ。顔色は…だいぶ良くなったけど、まだ呼吸は少し荒い。

やっぱり無理矢理にでも止めるべきだったかな…。

櫻井さんは、その智さんの隣に座り…
何故だか眉間に皺を寄せて、難しい顔をしている。

なんだかいつもにも増して話し掛けにくくて、でもそれをスルーして、寝ている智さんに水を勧めるのもなんだか違うな。って…

智さん用にと買った水を渡せば「ありがとう。」とにこり。と作ったように笑って受け取った。


櫻井さんの声で、少しだけ水を飲んだ智さん。
んで、また寝る智さん。
で、眉間に皺を寄せる櫻井さん。



えーーっと…

「…俺、片してきますね。」


櫻「え?…あ、いいよ。俺がやってくる。智くんお願いしていい?」
これじゃもう襲ってこないだろうし。と今度はちゃんと笑った。

…ちゃんと。ってのも変だけど。

「でも…」


櫻「大丈夫。俺が胃が空になるまで吐かせちゃったから。水、ありがとね。」
そう言って、俺から水を受け取ってスタスタと歩いて行ってしまった。


…なんか、櫻井さん変じゃない?
変って言うか、なんか考えてる…?


そんな事を考えつつ、視線を智さんへ向ける。

こっちも時々、眉間に皺を寄せては「…うぅ」と唸ったり。


……はぁ…
なんか…疲れた。酔いはだいぶ覚めたけど、まだちょっとクラクラする。
俺も飲みすぎた…反省。

空に向けてまた溜め息を吐いて、智さんとは反対側の手摺に凭れた。


と、

「っ…めたっ!」
突然頬に触れた冷たい物。に、びっくりして飛び起きる。

櫻「お、良い反応(笑)
はい。コーヒー。二宮くんは冷たいのでいい?」

そこには缶コーヒー両手に、爽やかぁに笑う櫻井さん。

俺が、え?って顔で見上げてたら

櫻「ほれ。水のお礼。
てか直ぐそこに自販機あんじゃん。」
と、あはは。と笑って缶コーヒーを俺の手に置いた。

…あれ?そうだった?
全然気が付かなかったや。

「実は…俺も結構酔ってます。」と素直に白状した。

櫻「いや見りゃわかるわ!」
面白れーな、二宮くんは。と笑われる。

…そう?
そこまでとは、思ってなかったんだけど…


櫻「ふふ。酔い覚ましにさ少し話さない?
こっちも、少し休ませた方が良さそうだし。」と、智さんを見ながらベンチに腰を下ろした。

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