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きみがすき

第27章 *よん*

*櫻井*




ニ「狡い。」


相「なんで?狡くないじゃん。」



ニ「前にもあった。こんなこと。」


相「前?
初めて会った時、俺失礼な態度とっちゃった事謝りたかったんだよ。だからご飯誘って…」

……

ニ「にしても。馴れ馴れしくない?」


相「馴れ馴れしいって…
もぉ…照れてないで、呼べばいいじゃん。

ねぇ?翔ちゃん?」
と相葉くんが後ろから俺の顔を覗きこむ。

「………」


相「? 翔ちゃん?
どうしたの?イケメンが台無しになってるよ?」


「あ、…え?なんだっけ?」


相「もぉ聞いてなかったの?
だからぁ、ニノが翔ちゃんともっと仲良くなりたいんだって。
俺にやきもち妬いてる。」


ニ「っちょっと!何言って!
俺の方が櫻井さんとは長いんだからな!」
と言う二宮くんは顔をあかくして、何故だか俺を盾にしている相葉くんめがけて吠えた。


…なんだコイツら。


ちょっと可愛いじゃねーか。




こんなやり取りが始まったのは、つい数分前。

俺はね。
二宮くんの電話は終わったし。
なにより相葉くん来たし、智くんの後の事は任せて帰ろうとしたんだよ。

「じゃ、俺、そろそろ帰るわ。」


二「え?あ、帰る…あ、そっか。
智さん起きて、櫻井さん帰るって。」
二宮くんが智くんの肩を揺する。

「あぁいいよ。きっと俺が来たの覚えてないだろうし。
んじゃお先。お疲れーッス。」
そして足早にそこを去ろうとした。

だってもうこんな時間だし?仕事で疲れてるし?
それに…


相「大ちゃん。翔ちゃんに会いたがってたよ。」
そんな俺の腕を掴んで引き留めたのは相葉くん。



……いや、だからなんだよ

「この前会ったし…」

二「おい。なんで相葉さんさ、翔ちゃんって呼んでんの?」


相「…なんでって仲良くなったから。」

「だから、俺…」

二「デジャブか?」


相「ニノ何言ってるの?」

「帰るよ…」


全然聞いちゃいねー

ねぇ帰らして…




で、現在進行形で帰れてない俺。

てか、妬くって

今だに俺を挟んでキャンキャン言い合う2人。
いや二宮くんが主にか。

酔いは、だいぶ覚めてきてるとは思ってたけどな。
本当は…こんな子供っぽいんだな二宮くんて。クールなちょっと大人びたイメージだったけど。


なんか…智くんの気持ちがわかるかも。

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