
きみがすき
第27章 *よん*
すっ。と腕を伸ばし手を翳す。
その気配に、少しだけ
ほんの少しだけ、不安そうに揺らいだ瞳。
でも
すかさず相葉くんが、くふ。と笑いを漏らす。
そのままの速度で、ポン。と手を置いたのは、俺より少しだけ低い位置にある頭。
「今度、飲みに行こうな。ニノ。」
そう。声をかけた。
さっきの不安そうに揺れた瞳が、今は少しだけ大きくなって、そして直ぐに緩む。
ニ「…奢りならいいよ?翔さん?」
と、生意気な口とは真逆に上目使いで可愛く笑う。
お。
「言うねぇ酔っぱらい(笑)」
これが、かの有名なツンデレ?ってやつか。
小悪魔がここにも居たなぁ…
相「あー狡い!俺も誘って?」
いつの間にか俺の背後から出てきてた相葉くんが、また絡む。
ニ「貴方ほぼほぼ夜仕事でしょーよ。
あら。残ねーん。」
そうしてまた、やんややんや始まったやり取り。
…やっぱり
……きっと彼は…
大「……う~…ん…うるさいなぁ……。」
相「あ!大ちゃん起きた!」
あ…そういや居たな。
静かすぎて忘れてたわ。
智くんのもにょもにょ声にすぐさま反応した相葉くんが、ベンチに近寄る。
う~…ん。と目を擦りながら欠伸をする姿は、赤ん坊か?おっさんがやる仕草ではない。
相「おはよう。」
大「…うん…おはよぉ………
……………あれ?……相葉…ちゃん?が見える……。」
目をパチクリ。
相「そう。相葉ちゃんだよー♪」
ぱっ。と両手を広げて、驚いた?とばかりに楽しそうに笑う。
大「相葉ちゃん?え?…なんで居るの?」
相「んふふー♪」
そんな相葉くんの反応に、また目をパチパチする。
少し寝たからか、呂律も意識もはっきりしているみたいだが、まだ状況が掴めてない。
ま、そりゃそうか。寝てる間の出来事だもんな。
と、
大「…わぁ~…相葉ちゃんだぁ~~…」
…っ
うわ…
なんとも甘ったるく甘えた声を出したのは、言わずもなが智くんの口。
そして、その顔は
相「ありゃりゃ。大ちゃん、ほにゃんほにゃんだぁ。」
そう。まさに崩れまくった、ほにゃらら~~ん顔だ。
