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きみがすき

第27章 *よん*

*櫻井*




小悪魔…違う。
悪魔…これも違う。

魔王に、おおかた見透かされた俺は、本当の気持ちを吐露した。


そんな俺に智くんは…
大「邪魔?邪魔ってなに?翔くんがいると俺と相葉ちゃんの邪魔になんの?」

だって…今は違えど、智くんをすきだったのは事実。そんな奴が側にいたら、良い気はしない。

なんて思う反面。
俺の方が付き合い長いのに…これからも側に居たいのにって…

で、どうしたら良いのかわからなくなった。

ので

拗ねた。

我ながら餓鬼。
そして俺って、どんだけ智くんのことすきなんだって…

引いた。

結果、距離を置くことにした。


大「はぁぁ。
翔くんは翔くんでしょ?相葉ちゃんは相葉ちゃん。
俺にとって邪魔な人なんて誰1人もいないよ。」

そして智くんは「それに俺、大切な翔くんのこと邪魔だって言う人は嫌いだ。」と言った。



……

あっという間に俺のモヤモヤを取り払う。

やっぱり俺は、貴方に敵わない。






「タクシーで行けばいいのに。」


大「相葉ちゃん。走ってきてくれたんでしょ?俺も自分の脚で行くよ。」

もうすっかり酔いが覚めたスッキリ顔の智くん。

なんか…
「変わったな。」
そう漏らせば

大「え?…あ、俺ね。最近体鍛えてんの。筋肉付いたかな?
まぁでも疲れて会社で眠くなっちゃうんだけどねー。」
あはは。と自分で言って自分で笑う。


俺が言ったのは、そういう事じゃないけど…


「相葉くんにさ、約束破ってごめんって。
あと、今度俺の奢りで飯行こうって。伝えてくれる?」


大「ふふ。伝えとく。じゃ翔くんまたね、気を付けてね。」
と嬉しそうに笑う。

「おう。
あーそだ。必要なら俺のこと言って良いからな。相葉くんに。俺が智くんのことすきだったことさ。」


大「…ん?………あー…う~ん。」


「なに?」


大「それは、俺と翔くんの大切な思い出かなって。」



大「バイバイ翔くん。」


「…バイバイ…。」

にこっと笑って、くるっ。と背を向けて走り出した智くん。
俺は、段々と小さくなっていく背中を暫く見つめて…
ほんと
「無自覚のたらしだ。」と笑えた。


相葉くん、がんば。



さ、帰ろう。

久しぶりに歩こうかな。



……

「タクシー!」

なーんて無理。

流石に今日は疲れたわ…

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