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きみがすき

第32章 *きゅう*

*二宮*




小「智さん。過去の○○社との打合せ資料確認したいんですけど、何処に保存してます?」


大「ん?共通ファイルに入ってない?」


小「…見たんですけど…違うとこ見てるのかな…」

あれ?と言いながら智さんは小林の席まで行き横からパソコンのマウスを操作する。

大「…んー…あーこれこれ。」
カチカチッ。とマウスを鳴らし
「ファイル多いから探しにくいよね。そろそろ整理が必要だよなぁ。」
と困ったように。でも穏やかに微笑んだ。

小「…本当だ。良く探さずすいません。」


大「ううん。こういうのは探すより聞いちゃった方が早いからさ。また何かあったら聞いて。」


智さんは、優しい。そして程よく厳しい。
先輩にしたいなんちゃらランキングがあったら、きっと俺は智さんに1票入れると思う。

ま、この会社。仕事は激務だけど、人は良いんだよね。だから大変でも続いちゃうんだよな。やりがいもあるしね。

と、

小「ありがとうございます………智さん、なんか痩せました?」


大「…え?そう?ちゃんと食べてはいるけどな…?あ、痩せたっつーか、引き締まったのかな。」
と、まだまだ筋肉質とは程遠い腕を自分で眺める。

……

小「……食べてるってほど、食ってないと思いますけど……あ!じゃぁ今日メシ行きましょ?夜!」


大「今日?…あー…悪い。今日は約束があって。ごめんね。また今度。」

約束…

小「えー??またぁ?智さん最近先約多くないですか?」


大「そう?…たまたまだよ。ごめんね。」
そう言って智さんは、ブーブー言っている小林から離れ、席に戻っていった。





最近の智さんは、少し変だ。



今日は…潤くんのお店が休みの日。
ということは、相葉さんも休み。


俺はもちろん潤くんとデート。

けど…

智さんが言ってた約束。

それは相葉さんと会う
約束ではない。

たぶんだけど、間違ってないと思う。
だって、なんていうか…こう嬉しい感じとか、ワクワクした雰囲気が智さんから感じない。
まぁ普段もそんなあからさまに態度に出す人ではないし
そもそも休みだからって、その度に会わなくても良いとは思うけど…さ。


斜め前の、いつも通り仕事をしている智さん

けど

やっぱり…

あの日、相葉さんと1日遊んだ日から
智さんは少し変だ。

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