きみがすき
第42章 *かーてんこーる*
*
相「ここを曲がれば……」
「…おぉ〜。」
相「わぁ…。」
角を曲がると見えてきたのは
青い光が散りばめられた煌めくトンネル
ゆっくりと歩みを進めて行けば
光は川に突き出すように伸びている木の枝や幹に装飾されていて
川に反響したその光は 水面にゆらゆらと揺らめき、まさに幻想的だ。
「すご…」
ありきたりだけどそんな言葉が出る
相「ほんとだねぇ…キラキラ。」
そして次に浮かんだのは…
大・相「「ロマンチックー……あ…」」
被った言葉に、顔を見合わせて
「あはっ。デートっぽいね。」
相「くふ。だってデートだもん。」
そんな風に笑い合った。
暫くのんびりと散歩して
ふと…
「そだ。」
相「ん?」
「今日って、イチがこっちに来てるの?」
相「イチ?そうだよ。昨日俺んちに泊まって。って…知ってるの?」
「今日、連絡があったんだよ。遊ぼうって。
でも相葉ちゃんと会うからごめんねって伝えて。」
相「………大ちゃん…」
「なに?」
相「イチに、今日何処に行くか言っちゃった?」
「え?言ったよ?聞かれたから、○○のイルミネーション見に行く……」
イチ「あ!みーーつけたーーー!!!」
?!!
突如聞こえた、大きな声。
びっくりして、声のした方を見れば…
「わ!ぶっ…」
イチ「おーちゃん!やっと見つけたー♪」
何かが俺にぶつかってきて抱き締められる。
いや何かって、イチなんだけどね。
相「はぁ……やっぱり……」
かろうじて見えた視界には、呆れ顔の相葉ちゃん。
イチ「へへぇ、会いに来ちゃった♪」
「イチ…苦しい…」
そして周りの視線が恥ずかしい…
イチ「あーごめんなさい。つい興奮しちゃって♪」
ニコニコと全く悪気はない。
相「イチ…ここで何してんだよ?」
イチ「え?何ってー俺もデート♪イルミ見たいねって、マミちゃんと駅で落ち合って。」
相「…で、そのマミちゃんは?」
イチ「え?…って、いねぇ!はぐれた!…ん?…げ!鬼電!鬼メ!
俺行くわっ!じゃね!おーちゃん!兄貴!」
「…ぁ…バイバ…」
イチ「あ!3月には俺こっちに住むから!たくさん遊ぼうねー!!」
今?言うことって事を大声で言いながら、イチは光の中へと消えていった。