自堕落な天使達
第2章 *ナツデビュー*
……翔だけよ……
俺は立ち去り際に、
奈美さんの声を聞いた。
俺はあの二人の関係が、
気になっていた。
『……失礼します……
ご指名有難うございます!』
俺についた客は、
30半ばの飲み屋風の
女だった。
スタイルもいいし、
綺麗な顔をしていた。
……俺に付いた……
初めての指名客だった。
『……失礼ですが……
お名前は?……』
『……麗奈よ……
よろしくね?ナツくん♪』
『……こちらこそ♪……』
するとヘルプに付いた
スタッフが、
『……ナツ……
麗奈さん綺麗だろ~
おまえツイてるな~♪』
…と、
俺に話しかけて来た。
『……ほんとに……
お綺麗ですね~♪』
『……アラアラ二人とも……
嘘でも嬉しいわ♪』
『嘘じゃないですって♪』
『……ホント……?
じゃあドンペリ入れちゃう♪』
『マ、マジですか♪
有難うございます!』
『ナツくんのデビューだもの!
いいわ!2本入れちゃう♪』
『あ、有難うございます!』
そしてドンペリが運ばれ、
またドンペリコールを♪
スタッフ全員でやった。
その日は普通に麗奈さんと、
楽しい時間を共にしたが、
後々、この麗奈という女が、
俺にとって……
大きな存在になる事などまだこの時は、
知るよしもなかった……
……こうして……
俺の記念すべき、
ホストデビュー日は、
盛大に終わりを告げた。