自堕落な天使達
第5章 *ナツ初枕営業*
『……ナツ……たった2千円か?』
『……そうですよ!……』
『……ナツ……
そのたった2千円で売り上げが決まる!』
『……あ……』
『……悔しかったら……
売り上げで返せや!』
『……翔さん……すみませんでした!
俺、間違ってました!
明日から頑張ります!』
『……ナツなら……
良を抜けるよ!頑張れ!』
…と、言って翔さんは、
俺の肩を叩いて出て行った。
『……ナツ……明日の締め日!
楽しみにしてるよ♪』
『……ハイ……頑張ります!
見ていて下さい!』
『……じゃあ……ナツ!
先帰ってんぞ?後片付けよろしくな!』
『……はい!……』
……翔さんは……
俺にハッぱをかける為に言ったんだ。
……もう……
迷ってる時間はない……
……俺は……
厨房に来て携帯を手にした……
……そして……
ある人に電話をかけた……
『……もしもし……
麗奈さん?ナツです……』
……俺は……
麗奈さんの申し出を受け入れようと、
していた……
『……あの……
今から……逢えませんか?……』
……俺にはもう……
立ち止まっている時間は、
残ってなかった……