粉雪のファンタジー
第3章 *涼の決心*そして最終章~
……結局……雪は……
余命宣告よりも1週間長く生きた。
……雪の最後に俺は立ち会え無かった……
だけど不思議と穏やかだった……
最後に医師から雪の様子を、
聞けたからだろうか。
とても優しい顔をしていたと……
最後の最後に、
俺の名前を呼んでいたと……
でも願わくばこのフォトを、
最後に見てほしかったよ……
雪……
そして今日は12月24日。
***X'masイブ***
雪が生きていたら一緒に迎える、
3度めのイブの日となるはずだった……
俺は雪とよく来た公園に来て居た。
恋人達で賑わう、
今年もこのイブの日がやって来た。
……雪……
今年もイブがやって来たよ……
…·…なんの景色も変わらない……
……ただ俺の隣に雪だけが居なかった……
俺の手のひらに
粉雪が舞い降りた……
……雪……雪も何処かで……
この雪を見ているの?……
……寒い空を見上げた……
……今にも……
……掴めそうなのに……
……高すぎて……
……掴めないよ……
『粉雪のファンタジー』
著者*華恋
完結日
2016年10月29日土曜日
am.6:35分