TABOO
第1章 *初めての出逢い*
その事もあって、
1カ月もレイに逢えないで居た……
その事もレイは悟っているに違いない。
それを証拠に毎日のLineに、
『……好きだ♡……』
とか甘えてはくるけどレイは、
一度も逢おうとは言ってこない……
レイはどうしてこんなに、
大人なのだろう……
美沙より遥に大人に見える。
夫が寝静まってからの夜更けのLineも、
レイは文句も言わずに付き合った。
レイの方が仕事で朝早いだろうに。
逆に美沙の方がレイに甘えて居た……
……レイと一度だけ大喧嘩を……
した事があった。美沙が、
『……逢えないのに……
私なんか止めて、
他の人に行ってもいいよ?……』
と、言ったからだ。
核心に迫る美沙にレイは滅茶苦茶怒った。
その時はすでに電話で話すように、
なっていたので、
初めてレイのあんな辛く悲しそうな、
切ない声を聞いた……
『……美沙さんだから……
逢え無くても我慢できるんだよ!!
なんだよっ…!!』
そう言うと、
電話を切ってしまったレイ……
泣いているようにも思えた……
勿論美沙は慌ててかけ直した。
『……ごめん。レイ……
ごめんなさい……』
……と言って美沙も泣いて居た……
『……泣かないでよ美沙……
俺は辛くないよ……
全部……貴女の為だから、
出来る事なんだよ……』
『……レイ……』
『……だからもう美沙泣かないで……』
そう言って電話を切った。
そんな携帯だけの関係が続いたある日……
夫から思いがけない一言を聞く事になる。