TABOO
第3章 *恋人達の居る時間*
運びだされたワインの、
コルクを開け乾杯した♪
『……なんに乾杯する?……
レイ♪』
『……二人の未来に♪……』
和やかに食事をしてたら、
突然レイの携帯が鳴った。
『……あ……はい。
お疲れ様です。はい……
解りました。
じゃ、失礼します……』
レイの顔が急に曇った。
『……美砂……
俺の休暇……今夜で終わりだって……』
『……そう……』
電話の相手はレイの仕事先の、
オーナーからだった。
そう言うと二人は、
どちらかともなく
窓の景色を見つめていた。
やがて食事も終え部屋に戻って来た。
するとどちらかともなく、
引き寄せられるように抱き合った……
……そして激しいキスを交わした……
『……んっ……あ……
抱いて……レイ……』
『……美砂……』
『……時間の許す限り……
私を……離さないで……
レイ……』
『……美砂……愛してるよ……』
『……私も……
愛してるわ……レイ……
ずっとあなたの傍に居たいのに……』
我慢していた美砂の瞳から、
一筋の涙が伝った……
レイは美砂の涙に
そっとキスした……
『……ごめんね……
美砂……でも……
俺も……
同じ気持ちだよ……』
『……レイ……』
『……美砂……
もう泣かないで……』
二人は時間の許す限り
抱き合った……