ふたつの鼓動
第2章 1ヶ月ぶりの
彼は驚いて静かにわたしに顔をむけた
「...お願い教えて...あなたのこと」
なにがなんなのかまったくよくわかんないけど
このままこの人と離れちゃいけないような気がした
「...ぇ、俺が...怖くないの?」
そのまま大きな瞳でわたしをみつめていた
わたしも彼をみつめていた
なぜだか
離れちゃいけない 離したくない そう思った
「...怖くないよ。あなたは...とっても、綺麗」
気づいたときにはそう答えていた
彼は ハッとしてわたしに向き直ると肩に手を置いてこう言った
「...俺はありや。葉木原 有弥って言うんだ。お前は?」
その綺麗な瞳から1ミリも動けなかった
わたしは体がボンッと火照って うるさい鼓動を抑えながら
「...は.....玻七灯です。三汲 玻七灯」
動けない体の口を精一杯動かして名前を告げた
すると彼は優しく微笑んで
いい名前だな...とつぶやいた
それがわたしと有弥の不思議な出会いだった...。