ふたつの鼓動
第1章 第1章
わりと恋人の前ではツンツンな椎香と
真面目でとにかく優しさが顔ににじみ出ている
真優くんのツーショットは とってもお似合いだった
「上手くいってるんじゃね!良い良い♡」
わたしはにっこりと目をお山の形に 変えて親友の幸せに満たされた
「ありがとう♡それより...びーたんはどーなのっ?最近」
嬉しそうだった椎香が とたんに心配そうな表情を向けてきた
その瞬間、わたしは 彼 のことを思い出して下を向いた
「......うん、まぁな...」
「......また会えてないん?有弥(ありや)くん」
椎香が静かに言った
有弥(ありや)くん とは
わたしが付き合っている恋人だ......
「............1ヶ月くらいやし、大丈夫やよ」
曇りのない笑顔を作って椎香にみせると
信じてるから...と 自分にも言い聞かせるように
わたしはつぶやいていた