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校えっち(校閲)ガール

第29章 桐生悠人の事情⑧

宴会は立食形式だった。

「本日は皆さんお疲れ様でした。では乾杯!」

監督の音頭でスタッフらはグラスを交わす。

俺は酒がめっぽう弱く
口にする程度。

「悠人くん。ちょっといいかな」

監督に声を掛けられ手招きされた。

「悠人くん的に今回の出来はどうだった?」
「手応えは感じました」
「俺も。最近稀に見る手応えだったよ。
ほら。俺の手、未だに震えてるんだ。興奮が
収まらなくて」

グラスを持つ監督の手はガクガクと震え
ビールが波を打っていた。

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