兄達に抱かれる夜
第1章 お願いっ、嫌なのっ、あたしは……っ
あたしは、そのあるモノをずっと、使用している。
「馬鹿馬鹿しいっ、今時、華族の血だか何だか知らないがっ、そんなモノ絶えてしまっても構わないんじゃないか?」
翔太兄様が怒りを顕にして、嫌悪の眼差しでお母様を睨む。
「ならば、あなたは出ていきなさい、その代わりあなたの財産は有馬の力で差し押さえる事が出来ます、家族ですから、口座も番号も全て把握しています」
冷たく、無表情に言ってのける、お母様。
綺麗で美形だから、ぴりぴりとした迫力がある。
すうっと、顔色が変わる翔太兄様。
「そんな事したら、誰の子供か分からないんじゃないの?」
和兄様が皮肉気な笑いを口元に浮かべて言った。
「誰の子でもいいのです、有馬の血を引く子供なら、多ければ多いほどいいんですよ」
にっこり笑うお母様はとても妖艶に見えた。
皆が黙り込む。
あたしは、目を伏せて、じっと耳を塞ぎたい思いで話を聞いていた。
「今日はちょうど、恵麻の排卵日です、部屋を用意しているので、さっそく今日からお願いします。
康、和、翔太。
順番に部屋に行くんですよ。
ちゃんと見届ける使用人もいるから、頼みますよ?」