兄達に抱かれる夜
第2章 康兄様っ、嫌っ……!
むくりと体を起こして、ふらふらになりながら、浴衣を着てお風呂に入らなきゃと思って。
お風呂場に行こうとした。
「恵麻様、それはいけません……」
部屋の隅に控えている、使用人に静止された。
「どうして……?」
「有馬の子孫を残す為です」
あたしのあそこから、ドロリとした白い体液が流れる。
康兄様の精子。
つまり、そういうこと。
お風呂に入って、体液を洗い流してはいけないっていう……。
そういうことなの?
気付いた瞬間、体が震えた。
ドアノブをガチャガチャしてしまう、使用人が見張って鍵がかかってると、分かっていても。
そうせずにはいられない。
石田のお母様が毎月きっちりと送られてくる、あのピルを飲み続けているのに。
飲み続けて良かったと思わずにはいられない。
ガチャガチャ、ドアの外から、鍵が開いて、和兄様が入って来た。
浴衣姿の和兄様。
相変わらずの美形で目が合うと、にっこり笑う。
「ああ、恵麻、逃げようとしたの?無理だと分かっているのに?」
優しく抱きしめられた。
和兄様があたしの背中を撫でてくれる。
「俺も最初はびっくりしたけど、財産差し押さえられて、家まで追い出されるのは、さすがにきついしな、どうせなら、楽しもうよ、恵麻」
「楽し……む?」
首を傾げるあたしの顔を見て、笑う和兄様。
「俺達の誰かの嫁になるとは思っていたけど、貰い手がないなら俺がもらうつもりだったし、俺はお前の事は好きなんだよ?」
「和兄様が……?」
嘘ばっかり、いつもからかってばかりで、女の子連れて遊んでばかりの癖に。
「康にいの後ってのが、なんか気に食わないけど、まあ、これが本当のキョウダイってね?」
くすくす笑ってるけど、意味が分からない。
「最初は痛くて苦痛ばかりだったろうから、これからは気持ち良くなるよ、俺が気持ち良くさせてあげるから、そんなに泣かないで安心して?」
安心なんか出来るわけなんかない。
だけど、和兄様に優しく促されて、布団の場所に戻ってしまった。