兄達に抱かれる夜
第4章 翔太兄様もなの?
頭の中が真っ白になって、ふわふわした感覚。
良く聞こえない、聞こえたような気がした言葉は、現実だったのか、それとも、あたしの願望だったのか、分からない。
意識を手離してしまったあたしは、こうして、この信じられない、悪夢のような夜の幕を下ろした。
この日があたしの排卵日だったからか、これがお母様の言うしきたりだったのか。
この夜からが、はじまりだった。
この夜から、あたしは、兄達に抱かれ続ける。
あたしが妊娠する、その時まで。
ピルを飲み続けるあたしが妊娠する事もないのに、それを知らない兄達は子孫を残す為に、あたしの元へ通い続けるのだ。
石田のお母様の手紙にはこう書かれていた。
『あなたが本当に好きな人の子供を生みなさい、それが女の幸せです。使い方はあなたに任せます。
どうか、あなたが好きな人と、幸せになる事を願います』
あたしの好きな人……?
あたしの好きな人は……。
誰なの……?
自分の気持ちが分からない……。