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兄達に抱かれる夜

第6章 あたしの体、おかしいの……





「…………恵麻、ちゃんと食事を取るように言っただろ?」




あたしの部屋のドアをノックして、康兄様の艶やかな低い声が響いた。




「今日は翔太もいつもいないが、和までもいないし、自慢の愛車がないから、また、ドライブにでも行ったんだろうな。
恵麻は今日は学校に行けるかい?」



ドアの外で康兄様の声がして、部屋の鍵が掛けられている事に気付いた。




翔太兄様が帰ってから、鍵を閉めた覚えはないのに、首を傾げてしまう。




慌てて制服に着替えて、身だしなみを整えて、部屋の鍵を開けた。




「おはよう、康兄様、一緒に行く?」




ドアを開けて、あたしを待っていた康兄様に笑いかけると、驚いたように目を見開いて、眩しいモノを見るように、目を細めている康兄様にドキンとした。



「驚いたな、恵麻……、一晩で顔付きが変わるとか、聞いた事もあるけど、やはり、これも、石田の血の成せる業なのかな?」



「……?
何言ってるの、康兄様?」





「古(いにしえ)の女神の古き血を引く、お姫様、予定変更だ」



康兄様が冗談ぽく、膝まずいて、あたしの手を取り、キスをした。




「今日は学校なんか休んで、俺と一緒に出掛けようか、お姫様?」




あたしを見上げる艶やかな瞳は、甘い色気を放っていて、本当の王子様みたいだと思ったんだった。

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