兄達に抱かれる夜
第6章 あたしの体、おかしいの……
鏡の中にいるあたし。
身長は164センチくらい、細身で間食は禁止されているから、無駄な脂肪はついてない。
こっそり翔太兄様からのお土産スウィーツをいただけるから、そのせいで太ったとか言われたくないんで、自主トレもちゃんとしている。
胸の大きさは普通だと思う。
髪型までうるさく言われて、黒髪の背中まであるロングヘアーだ。
決められた美容院に定期的に連れて行かされて、それなりにお洒落な髪型も取り入れている。
石田家の女は代々色白美人で目が大きいのが特長みたい、ご先祖の代で天女を嫁にしたとか言う噂があって、天女の血を引く魔性の女が生まれるとか聞いた事があるけど。
沖縄の地に大昔はいたとか伝説はあるけど、本当の事かどうか分からない。
有馬家に嫁ぐしきたりになっているけど、土御門家に分かれた事もあったみたいだけど、何だかんだで有馬の血は受け継がれて来たらしい。
お嬢様は大変なんだ、学習院高等科に通うのに、サボる事なんか一度もなかったし。
お母様もお父様も今日は会議があるとかで、早くに仕事に行ったから、今は使用人も運転手も、康兄様の命令に従うだろうけど、後が怖い、怒られてしまいそう。
だけど、初めてのサボり、浮かれて、とっておきのワンピースに着替える。
鏡の中にいるあたしは、嬉しそうに、微笑んでいた。