兄達に抱かれる夜
第6章 あたしの体、おかしいの……
康兄様と一緒に運転手の車に乗って、連れて行ってもらった場所は、意外にもショッピングモールだった。
ほとんどの服はお母様の経営しているブランドの服だから、自分で選んで買う事も、買い物もほとんどしない事が多い。
平日なんで、あんまり人がいないって、康兄様は言うけど、人が多い気がする。
家族連れや、恋人同士に見える人達もいるけど、みんな、サボりなのかなあ?
そう言うと、康兄様はおかしそうに笑った。
相変わらず綺麗な顔立ち、優しい瞳は笑うと、艶やかで色気が増す。
長身でお洒落でスタイルがいいから、通り過ぎる人は康兄様を見て、顔を赤らめているのが分かってしまう。
人の視線が気になって、戸惑うあたしの手を、康兄様が優しく掴んだ。
指の1本1本を通して、恋人つなぎって言う奴だ。
恥ずかしくて、赤くなるあたしの顔を見て、くすりと甘く微笑む。
いちいち振り撒かれる色気に、胸のドキドキが止まらない。
目に付くお店に片っ端に入って行き、色々服を見るのに、スマートに付いてきてくれて、どの服か悩んでいたら、
「全部買えばいいだろう?」
サラリと言われてしまう。
流石、長男、だけど、あたしは勝手に服を買ったら、後で怒られてしまうんじゃないかと、びくびくしてるのに。
「ここのブランドは若い女の子に人気があって、流行りも取り入れてるから、母さんも文句は言わないだろうし、母さんのブランドよりも値段は格安だよ?」
「康兄様はなんでそんなに詳しいの?」
男の人なのにと思って聞くのに、また、ふっと笑われた。
「恵麻が疎いだけ」
頬を指でつつかれた。
馬鹿にされてるのかな?
「そのワンピースも大人っぽくて、似合うけど、着替えて見たらいい」
「わあっ、いいの?」
「もちろん」
試着室に何着か持っていく。
「それ全部着るのか?」
試着室の前まで一緒に来る康兄様。
「うんっ、せっかくだから」
「まあ、色んな恵麻が見られるのはいいけど……しょうがないな」
「……?
待っててね、康兄様」
服を6着持って入り、康兄様の前でカーテンを閉めた。