兄達に抱かれる夜
第6章 あたしの体、おかしいの……
康兄様に抱かれる夜。
車から下りて、相変わらず、康兄様に抱えられて、部屋へと連れて行かれる。
余裕のない足取り、何度か使用人に声をかけられて、自分の部屋には誰も近付くなと言う指示をだし、人払いをする。
康兄様の広い部屋に到着した。
お洒落なブランドの家具はシンプルで、洋室に変えられている。
柔らかいフランスベッドに下ろされて、フワリと体が跳ねてしまった。
康兄様も一緒にベッドに乗り、四つん這いになって、あたしに近付く。
少し長めの前髪の隙間から覗く瞳は妖艶で、鋭く輝いて見えて、ゾクリとした。
その姿は、まるで、美しい黒豹を連想させる。
しなやかな体を丸めて、ゆっくりあたしに近付きながら、着ていたジャケットを無造作に脱ぎ捨てる。
黒豹の前足に組み敷かれてしまい、ぞくぞくしながらも、欲情したような康兄様の表情に見惚れてしまう。
魅入られたように、動けない、そして、未だに体が火照っているあたしの体は、期待してぞくぞくしているのが、分かった。
すがるように見つめてしまう、欲しくて堪らなくて、あたしのあそこが疼いている。
康兄様があたしの体を横に向けて、背中にあるファスナーを下ろして、ブラジャーのホックも外されてしまう。
されるがままのあたしを見つめて、自分の着ているシャツのボタンを外して、その下から現れる逞しい体にドキンとした。
均整の取れた、逞しい体つき、昔から文科系のイメージなのに、ジムに通いつめていたのは知っていたけど……。
こんなに綺麗な筋肉がついてたなんて、はじめての夜は、動揺して分からなかったけど、今はこんなにも、その胸に抱かれたいって思ってしまっている。
思わず唇を寄せて、康兄様の胸元に顔を寄せた。
ちゅっ、無意識に軽くキスをして、あたしの好きな香水の香りが鼻をくすぐる。
康兄様の胸がぶるりと震えて、熱い吐息が聞こえた。
「俺を煽るなんて、そんな事、どこで覚えたんだ?
お前の立場は分かっているけど、嫉妬してしまうな、俺だけの嫁になって欲しいのに、それが叶わないなんて、もどかしいね……」