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兄達に抱かれる夜

第6章 あたしの体、おかしいの……





抱えられてしまう。




シャッ、カーテンを開けて、試着室を出て、お姫様抱っこされているあたし。




「そこの服、全部買うので、後で家まで届けて下さい」



素敵な笑顔で言う康兄様の、色気がいつもより増して、周囲の女性が顔を赤らめていた。




「恵麻、君の香りに当てられて、本当なら夜までゆっくりデートするつもりだったのに、とてももちそうにない。
本当に魔性の女の子だね君は。
このまま、俺の寝室まで、付き合ってもらおう」




帰りの車の中で康兄様が、あたしの耳元で囁く。




体が熱く震えている。




康兄様が欲しくて堪らなくなっていた。




切なく熱い呼吸を繰り返して、すがるように康兄様を見つめる。



運転手さんのバックミラーに映る視線と目が合った。



すいと視線を外す運転手さんの、顔が赤くなっている。




「恵麻、欲情するのは、俺だけにするんだよ」




康兄様の指があたしの顔を掴んで、強引に兄様の方を向かされて、キスをされた。




奪うような激しいキス、グッと深くに兄様の舌があたしの口の中に入って、舌を絡められた。




「ふっ……ンッ……んあっ……」




舌があたしの舌に絡みついて、優しく口の中に犯すように侵入されて、舌がぴくぴく反応して、喘ぎ声を漏らしてしまう。




「ああ、また、その顔……、この香り、止まらなくなる……」




康兄様の手があたしの胸を優しく揉む、時計回りにゆっくりと、マッサージするように揉まれて、キスをしながら、唇の隙間から熱い吐息を洩らす。



「まだ、家に着かないのか?」




焦れたように運転手に声をかける、康兄様の、瞳がギラリと光った。




「申し訳ありません、もう、到着です」




運転手さんの体が震えていた。




その後、その運転手さんの顔を見る事は無くなった。




比較的若い方で、時々話をしてくれる、優しい人だったのに。




急な家の事情で辞める事になったようだった。




あたしと話をしてくれる、使用人がまた、減ってしまった。




この時の何がいけなかったのか、あたしには分からない。




康兄様にはそんな、恐い一面があった。




あたしがその事に気付くのは、もっと後の事になる。




有馬家の嫁としてのつとめを果たす為に、

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