兄達に抱かれる夜
第8章 君は誰かな?
和side
車のキーをチャラチャラ手の中で遊ばせながら、ガレージへと行く。
今日はフェラーリかな、軽くドライブしてから、モデル事務所に顔を出そう。
それからモデルの女の子を誘ってランチにでも行って……。
そこまで考えて、ふと、首を振る。
いや、やめとこう、今日は恵麻と過ごす夜を迎えるから、あいつの事だけを考えてあげたい。
朝食の席で久し振りにまともに、顔を見合わせたような気がした。
元気のない表情、心ここにあらず、テーブルの席に着く俺の顔を見て、小さくついた溜め息を俺は見逃さなかった。
誰を探していたの、相変わらず、朝食の席に参加しない、翔太の事でも、考えてたっていうのだろうか。
翔太………。
相変わらずコソコソして、会社を起業して、時折外国にも足を運んで、何を企んでいるのか。
あれだけ、家の古い風習を嫌って、反発していたわりには、あっさり仕来たりには参加していたから、驚いた。
財産差し押さえられたら、流石に運用する会社もままならないしね、どうせ全ての口座を把握されてるんだろうけど。
口座を変えたりやってるのかもしれないな、それ位はするだろう、俺だって慌ててしたし。
ガレージのフェラーリの隣に停めている、翔太の車がない事に気付く。
あいつもよくやるよ。
だけど、恵麻を嫁にするのは、俺だからね。
色白で肌が白くて、抱きしめると、フワリとした感触と甘い香りが広がる。
あの、なんとも言えない、幸福感、それだけで、勃ってしまう、思い出しただけでヤバイ、やりたくなる。
本当は朝食の席でも、理性を保つのが大変だった。
綺麗になった、急に女の色気を放ち出して、フェロモンが増したというんだろうか。
流石、石田の家系、代々魔性の女を産み出す、政財界や芸能人が昔、石田の血を引く女性に骨抜きにされたとか、先祖が天女の血を引いてるとか、謎の多い一族だ。
今では小さな道場を長男が跡を次いだとか聞いた事がある。
唯一の女性、それが、恵麻だ。
フェロモンかな、やっぱり。
体の内側から、放てられる、色香、外見も色白美人、黙ってたらきつめの美人だけど、会話する時の仕草や話かたが可愛い。