兄達に抱かれる夜
第1章 お願いっ、嫌なのっ、あたしは……っ
今日はお茶のお稽古。
学習院大学に通う兄様達は、最近は一緒に参加されない。
門限もなく、自由にしているように見える。
どうしてあたしばかり。
毎日毎日。
幼い時から、この家に養子として迎えられてから、ずっとだ。
古い家の習わしで、あたしの両親は有馬家の分家にあたる。
石田家の女子は有馬家の本家に嫁ぐしきたりになっている。
華族の血を絶やさない為だそうだ。
別にお茶の家元でもないし、政治家でもない、ただ血を絶やさない為。
花嫁修業として学ばされて、意味が分からない。
兄様達は気楽に毎日過ごしてるように見えるのに。
あたしだけずるい。
分家と言っても、血の繋がりはない。
血が濃いもの同士の婚姻を繰り返して、3キョウダイで皆が男性な有馬家は、大変珍しい事だったようだ。
兄様のうちの誰かを選らんで、婚姻を結ぶ。
ただ子供を生むだけのような存在。
そう、聞かされていた。